言葉の重み

言葉というのは本当に素晴らしく、しかし恐ろしいものです。
勿論全てに当てはまるわけではありませんが、
言葉というものは「建前」の裏にある「本音」を如実に反映してしまうことがあるのです。

口でいくら反省していると言っても、実際はそうではない。
口でいくら申し訳ないと言っても、実は自分が絶対的に正しいと思っている。

世に「誠意」という言葉があるのは
言葉の表面的な意味だけで人々がその人の心を量っているわけではないことを示しています。
いくら口先で何か言ったとしても、行動が矛盾していれば「誠意」は感じられません。

例えば謝罪。
ただ「申し訳ない」とだけ言って、それにどれほどの意味があるのでしょうか。
そこに自分の思い、反省や後悔、そして今後のことなどを書いてこそ、
それは意味を持つのではないでしょうか。

勿論、自らの非を認めねばなりません。
　ごめんなさい。でも俺は間違っていない。
などといわれて、許すことができますか？

また、付加した言葉がその本心を表すこともあります。
自分が事件を起こし、人々に迷惑をかけたり、傷つけてしまったとします。
その時貴方はどのような言葉をかけますか？
例えば、
迷惑をかけた人、傷つけてしまった人に、仮に謝罪するとして

　良い機会なので色々なことを考えていましたが

などと言ったら謝罪される相手はどう感じるでしょう。
「ああ、この人は結局反省していないんだろうな。
　自分が悪いんだとは思っていないんだろうな。」
と感じるのではないでしょうか。
相手に迷惑をかけようが、傷つけようが
「自分のための成長のチャンス」でしかないのですから。
そしてそういった方は真に自分を成長させることはできないでしょう。


結局人間関係、特に謝罪や感謝などの場面において
語るべき「自分のこと」は限られています。
勿論語るのは自由ですが、
大切なのはそれを語ることで相手がどう感じるか、です。
余分な自己の表現はただの自己弁護や自己満足。
相手を不快にするだけです。


最後にある方が自分の傷つけた人になげかけた言葉で記事を終えます。

「やましいことはないですね。
　でも例えやましいことがなくても相手を傷つけたことに対して謝罪したのです 」